2011年04月30日

溶血性尿毒症症候群(HUS)発症は防げないのか?

富山県の焼き肉店でユッケなどを食べた大勢が食中毒で苦しみ、10歳の子供に至っては溶血性尿毒症症候群で死んでしまった。

男の子は父親と二人で焼き肉店に来て食事していたそうです。

とても楽しい食事だったでしょうね、父親も少年も二人とも。それなのに。

私もよく息子たちと男ばっかりで焼肉屋に行っていましたので、すごく悲しい、胸が締め付けられるような想いになりました。


食中毒で男児死亡=焼き肉店食事の24人発症―富山

時事通信 4月29日(金)22時30分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110429-00000116-jij-soci

 富山県は29日、同県砺波市の焼き肉店で食事をした24人が下痢や発熱の食中毒症状を訴え、うち溶血性尿毒症症候群(HUS)の疑いで入院していた10 歳未満の男児1人が死亡したと発表した。男児からは腸管出血性大腸菌O(オー)111が検出された。ほか23人のうち5人が重症。
 県によると、24人は21~23日、砺波市の焼き肉店「焼肉酒家えびす砺波店」で、ユッケを食べたという。死亡した男児は21日夜、父親と2人で同店で飲食。24日に嘔吐(おうと)や下痢と発熱、血便などの症状を訴え入院し、29日午前に死亡した。
 食中毒症状を起こした24人のうち14人からO111やO157が検出された。
 県は27日、同店に3日間の営業停止を命令。同店など系列20店が営業を自粛しているという。
 同店を経営するフーズ・フォーラス(金沢市)の勘坂康弘社長は29日夜、記者会見し、「申し訳ない思いでいっぱい。取り返しのつかないことだが、できることは最大限やらせていただく」と話した。 


O157やO111による重篤な疾患、溶血性尿毒症症候群は日本でよりも肉食文化のアメリカなどでしばしば食中毒事故を起こす細菌です。

怖いのは感染力、というか、感染した後の発症力が非常に強いということ。

100個の細菌を食べてしまえば発症すると言われていますから、感染している動物の生肉や、汚染している食材や調理器具を使った料理を食べれば高確率で発症します。


でもね、大腸菌ですし、これが作るベロ毒素もタンパク毒なので、肉を十分に加熱すれば発症する可能性はほとんどなくなります。

もしも残存した毒素にやられても症状はそれほどひどくならないはずです。

だから十分に加熱した肉料理を食べる場合は、これらの細菌にやられる危険性は少ないのです。

(汚染した生肉を自分の箸で拾って焼いてそのまま食べる場合、箸に付いている分だけで発症します。)


ですが、ユッケとかタルタルステーキなどの生肉を食べることが基本の場合はどうしようもないですね。

レアステーキも汚染していたら、まずアウトです。

日本よりも欧米のレアで牛肉を食べることの多い人たちの間では、なかなか縁の切れない手ごわい相手で、自分の家で食べるときには十分加熱するのが原則です。

でも、お店で食べる物の危険性は予測しようがないよね。


お店の場合、最大の危険は、調理者やその周囲の人が不顕性の感染者、保菌者になってしまっていた場合です。

今回はどう言う原因なのか、感染源はどこかわからないけれども、ほんと、アンラッキーとしか言いようがないです。



その後、報道を読んでみると、生食用の牛肉というのは正式に認められて流通しているわけではないそうですね。

生産者というよりも調理者の管理にゆだねられているようです。

生肉の美味しさを知ってしまうとユッケもタルタルステーキも魅惑の食べ物なのですが、子供や老人、体力のなさそうなダイエットしてカリカリの若い女性なんかに食べさせるのは考えもののメニューだったんですね・・・。



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