2011年04月06日

短期被曝と長期被曝の違い

福島原発が津波で冷却系がやられてスタックしてから、つまり東日本大震災からもうすぐ4週間が経とうとしています。

最初は放射線濃度の低さをみて、それで大騒ぎする人たちに冷静に慣れ、騒ぐような濃度じゃないと何度もたしなめていたのですが、だんだん、ちょっと、背筋が寒くなってきました。

残念ながら、原子炉の中の燃料棒は今も露出したままの様ですよね。

その状態が継続すると表面が溶けて滴り落ちて行きます。

それが炉の底の方にだんだんたまっていくと、あまりよろしいことではないです。


東海村の臨界事故、あれはバケツの中で一気にウランをまとめてしまったがために発生した臨界(核分裂の開始)です。

燃料棒が溶け続ければ炉の底にどんどんたまってしまって、あれと同じこと、起こってもおかしくないようです。

そうなると、強力なエネルギーを持った中性子も出てくるし、ウラン238が猛毒のプルトニウム239になって・・・

ってここのところはあまり詳しくないのでこの辺で。


でもともかく、制御不能な核分裂反応が起こったりしたらさらに大量の放射性物質が飛び散ります。

そして、それの制御にはさらなる危険な作業と、長い作業時間が必要です。

原発トラブル収拾にあたっている作業員の皆さんの被曝量を考えると空恐ろしくなります。

現在働いている人たちは遠からず被曝のリミットに達するでしょうから、どんどんベテランが現場から撤退して行くことになります。


では、非難範囲の外にいる我々はどうかというと、これはそれほどの危険な状況が訪れるとは私は考えていません。

というのも、原発作業員の皆さんは短時間で強い放射能を浴びるかもしれないのに対して、我々は弱い放射能を長い時間をかけて浴びるだけだからです。


放射性物質に被曝することで怖いのはDNAに傷がついてしまうことですね、これが将来、癌を生み出す素地になる可能性があります。

(癌になるような場所に傷がついてしまった場合に限ります。)

でも、我々の身体には、傷ついたDNAを修復する能力がそなわっています。

傷が小さかったり少なかったりすると、毎日すぐに修復することができます。

だから弱い放射線を浴び続けても、例えば毎日1mSvを浴びて一年で365mSvを浴びても、癌になる危険性は余り上がらない(と考えられている)のです。

(安全マージンを見た値は年間50mSv以下ですけどね。)


これに対して、一日で365mSvを浴びたりすると、いっぺんに傷つく場所が多すぎて、修復しきれないので、確実に発がんリスクが上昇します。

(広島と長崎の推測から200mSv以上の被曝を短期に受けると発がんリスクが上昇すると考えられています)

被曝は単純な足し算ではないのですね。

だから長期被曝した場合の放射線量を単純に短期被曝で浴びた放射線量で考えて戦々恐々とするのは馬鹿げているのです。


まあ、何をどう考えてみてもいやなものはいやですけどね。

もう一つ言えば、原発事故による長期被曝の影響に関してはチェルノブイリ事故を基にいろいろ推測されているわけですが、あの場合と今回の福島の場合、それぞれ放出される放射線や飛散する放射性物質の割合や時間など、被曝のタイプが異なります。

ですから、今回の長期被曝の影響は20年後にようやくわかるものでしかないとも言えます。




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