2010年12月16日

ES細胞から腸管様の構造ができるのは前からわかってたけど

ES細胞をin vitro(試験管内)で分化させて様々な細胞や臓器を分化誘導して再生医療につなげようと言う研究は1990年ごろからすでに始まっていました。

そんな中で1990年代前半にはあちこちの研究室で、ES細胞を様々な条件で培養していると、間質に取り巻かれた上皮構造ができて、それが蠕動すると言う現象が観察されました。

見た目は見るからに腸管なんだけど、それが神経系の走行を伴わない、筋肉の自律的な運動だと言うところが今一つ使えないところだったんですよね。

現象自体は面白いからたくさんの研究者が魅了されたのですが、再現性のある条件を作りだせず、また、組織構造が腸管とは似ても似つかないと批判されて、けっこうその確立に挫折して行きました。

そんな中で、Natureに載るほどの内容ならきっとすごいのでしょう。


ヒト万能細胞から「腸管」=複雑な立体組織形成―難病解明、再生医療に期待・米病院

時事通信 12月14日(火)16時22分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101214-00000086-jij-soci

 ヒトの万能細胞である胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)を試験管内で培養し、腸管に近い組織を作ったと、米シンシナティ子供病院医療センター(オハイオ州)の研究チームが14日までに、英科学誌ネイチャー電子版に発表した。
 ヒト万能細胞から肝臓や膵臓(すいぞう)などのシート状組織を作った例はあったが、動物の体内に移植するのではなく、体外の試験管で複雑な立体組織を形成したのは画期的。
 潰瘍性大腸炎や赤ちゃんの壊死(えし)性腸炎などの難病メカニズム解明や治療法の開発に役立つ上、将来は患者に移植する再生医療の実現が期待される。飲み薬の腸での吸収を高める技術開発にも使えるという。 


え~っと、試験管内で腸管様の構造が出来上がったとして、それが免疫異常の疾患である潰瘍性大腸炎の解明にどう具体的につながるのかがあまりピンときません。

何か画期的なアイデアをこの記事を書いた記者の方はお持ちなのでしょう。

御教示願いたいものです。



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